FIPの種類:眼型FIPと神経型FIP、それぞれの症状と治療法とは?
- CureFIP Japan
- 5月28日
- 読了時間: 4分
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウイルス(FCoV)の変異によって引き起こされる病気です。世界中の猫の1〜2%が感染するとされており、ウイルスが凶暴化すると急速に全身へ広がる可能性があります。

一般的に、飼い主が知っているFIPのタイプは「ウェットタイプ」と「ドライタイプ」の2種類です。ウェットタイプは体内に液体がたまるのが特徴で、ドライタイプは急激な体重減少が目立ちます。
しかし、これら2種類の他にも「眼型FIP」や「神経型FIP」というタイプが存在します。これらは特に複雑で、集中的なケアが必要です。
それぞれの症状、治療法、予後の違いについて詳しく知りたい方は、Cure FIP Japanチームがご用意した以下の解説をご覧ください。
眼型FIPと神経型FIPの定義
眼型FIPとは、猫の眼の器官を中心に感染が広がるFIPの一種です。虹彩だけでなく、瞳孔や眼球内の構造にも影響を与えます。
このタイプは、腹部や胸部に液体のたまりが見られないドライタイプのFIPに感染している猫に多く見られます。眼型FIPは単独で発症する場合もありますが、神経症状と同時に現れることもあります。
一方、神経型FIPは中枢神経系を攻撃するタイプのFIPです。そのため、猫が体の動きをうまく制御できなくなる、あるいは完全に制御不能になるケースもあります。
また、神経系の働きが阻害されるだけでなく、心臓、腎臓、肝臓といった他の内臓器官にもダメージが及ぶことがあります。
眼型FIPと神経型FIPの症状の違い
眼型FIPと神経型FIPでは、現れる症状に大きな違いがあります。詳しく見ていきましょう。
眼型FIPの症状
眼型FIPに感染した猫には、以下のような症状(臨床徴候)が見られることがあります。
ぶどう膜炎(眼の中間層の炎症)
虹彩の色が濁り、白いもやがかかったような状態
瞳孔の大きさに左右差が見られる「不同瞳」
角膜と虹彩の間に血液がたまり、目が赤くなる「前房出血」
視覚障害(物によくぶつかる、動きに反応しない など)
神経型FIPの症状
神経型FIPに感染した猫には、以下のような症状が見られることがあります。
痙攣、原因不明の首の傾き、体の持続的な震え
運動失調(動きのコントロールが困難に)
自傷行為のように体を物にぶつける
反射反応の消失
千鳥足のような歩き方
じっとしていても足が走るように動く
眼球が無意識に左右に動く「眼振」
眼型FIPと神経型FIPの診断方法の違い
猫が眼型または神経型FIPに感染しているかどうかを確認するには、いくつかの検査が必要です。以下にその内容をまとめました。
眼型FIPの診断方法
症状を確認したうえで、以下の検査が診断の判断材料となります。
眼科検査:眼内の炎症の有無を確認
血液検査:免疫反応や他の感染徴候をチェック
補助的検査(必要に応じて):FCoV抗体検査、PCR検査、体液の検査 など
神経型FIPの診断方法
症状を確認したうえで、以下の検査が診断の判断材料となります。
神経学的検査:神経の損傷レベルを把握
鑑別診断:てんかんや頭部外傷など他の疾患を排除
血液検査:免疫反応や感染徴候をチェック
MRI検査:脳や神経系の状態を確認
眼型FIPと神経型FIPの治療法
基本的には、GS-441524を使用した治療が最も効果的とされています。成功率は約89%と高く、飼い主が治療経過をしっかりと見守りながら、回復のサポートが可能です。
ただし、眼型FIPや神経型FIPのような複雑なタイプの場合は、通常よりも高用量のGS-441524が必要になるケースが多くなります。
正確な用量を確保するためにも、愛猫にGS-441524を使用する前に、必ずCure FIP JapanチームのLINEサポートで相談してくださいね。
また、獣医師の指導のもと、眼型FIPと診断された猫には、抗炎症作用のある点眼薬の使用が推奨されることがあります。これは炎症症状の緩和を目的としています。
一方、神経型FIPの猫には、動物病院での集中管理入院が推奨されることも多いです。これにより、獣医師が猫の状態を常にモニタリングできるようになります。
まとめ
眼型FIPと神経型FIPは異なる症状を示しますが、いずれも迅速かつ適切な対処が必要な重篤な病気です。
愛猫がFIPに感染したかもしれないと思ったら、すぐにCure FIP JapanチームのLINE公式アカウントまでお問い合わせください。
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