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FIPは治る?猫の予後と平均余命を詳しく解説

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、世界中の猫の1〜2%に影響を与えている病気です。この致命的な病気は、猫コロナウイルス(FCoV)が突然変異を起こして、より凶暴な形態へと変化することで引き起こされます。

FIPの予後と平均余命

このウイルスが最初に発見された頃は、治療薬もなく、猫の死亡率は非常に高いものでした。そのため、FIPと診断された飼い主が絶望するのは当然のことでした。

しかし、近年の獣医学の進歩により、特にGS-441524のような治療薬の登場によって、FIPと診断された猫でも生存の可能性が大きく広がっています。

FIPを患った猫の予後や寿命について詳しく知りたい方は、Cure FIP Japanチームがまとめた解説をぜひご覧ください。

猫のFIPにおける予後とは?

FIPは急速に進行する病気で、体内で猛スピードで拡散します。その結果、猫の目、心臓、肺、肝臓、腎臓など多くの臓器に深刻なダメージを与えます。

そのため、猫の飼い主にとって「FIPの予後」がどうなるかは大きな関心事でしょう。ここで言う予後とは、猫の病状が今後どのように進行するかを予測するものです。

この「進行」とは、治癒の可能性だけでなく、再発のリスクも含まれます。たとえ一度完治したように見えても、免疫力が十分でない場合は再びFIPを発症することもあります。

予後に影響する要因

FIPにかかった猫の寿命は、主に2つの要素に大きく左右されます。それは「診断の早さ」と「治療方法」です。以下にその詳細を紹介します。

  1. 診断の早さ

前述の通り、FIPウイルスは極めて迅速に広がり、致命的です。そのため、早期診断が治療の鍵となります。FIPが早期に発見されれば、臓器が深刻に損傷する前に治療を開始できます。

  1. 治療方法

FIPを放置すると、数日以内に命を落とす可能性もあります。事実、FIPを適切に治療しなかった場合の致死率は96%にも上ります。

ですが、今では希望の光があります。ウイルスの進行を科学的に阻止する効果があると証明されたGS-441524の登場により、多くの猫が生き延びられるようになったのです。

FIPのタイプ別に見る予後の違い

FIPには、ウェットタイプ、ドライタイプ、眼型、神経型の4種類があり、それぞれ予後が異なります。

先に紹介した2つの要因に加え、病気の複雑さによっても予後は左右されます。

  1. ウェットタイプFIP

ウェットタイプFIPは、最も発見されやすいタイプです。体腔内に液体が溜まり、お腹が膨らんでくるため、飼い主も異変にすぐ気付きやすいからです。

この早期発見が可能であることにより、治療も早く始めることができ、結果的に予後も良好とされています。

  1. ドライタイプFIP

ドライタイプFIPはウェットタイプと異なり、はっきりとした症状が現れにくく、他の病気と見分けがつきにくい特徴があります。特に毛が長い猫の場合はなおさらです。

しかし、GS-441524を適切な量・スケジュールで投与すれば、治癒の可能性は十分にあります。

  1. 眼型FIP

眼型FIPは、目の内部構造に影響を及ぼすタイプです。虹彩だけでなく、瞳孔や眼球の内部にもダメージを与えます。

このタイプは、腹腔や胸腔に液体が溜まらないドライタイプの猫によく見られます。また、神経型の症状と同時に現れることもあります。

  1. 神経型FIP

神経型FIPは最も複雑で治療が難しいタイプです。中枢神経系を攻撃するため、予後も厳しいものになります。

そのため、早期発見と高用量のGS-441524による即時治療が、生存の鍵を握ります。

抗ウイルス薬GS-441524による治療成功率

GS-441524は臨床的にもウイルスの進行を抑える効果が証明されており、多くの猫と飼い主に希望を与えてきました。過去数年間で、すでに何千匹もの猫がこの薬によって救われています。

その成功率はなんと89%にも上ります。つまり、治療をきちんと完了した猫のほとんどが、健康で普通の生活を何年も続けられているのです。

治療後の再発リスク

GS-441524による治療期間は84日(約12週間)と長期に渡ります。この期間は、体内のウイルスを完全に排除するために必要です。

この治療期間をきちんと守った猫は、再発のリスクが非常に低くなります。そのためにも、正確な用量を守り、84日が経過する前に勝手に治療を止めてはいけません。

治療が終了した後も、定期的に健康チェックを続けることが大切です。特に血液検査を行い、体内にウイルスが残っていないことを確認することが推奨されます。

また、FIPが再発する原因としては、以下のようなケースも挙げられます:

  • 不十分な投薬量

  • 一貫性のない治療スケジュール

  • 治療終了前に完全な血液検査を行っていないこと

もし再発が疑われる症状が見られたら、すぐにCure FIP JapanチームまでLINEま。

長期的なモニタリング

治療が終了した後も、猫の健康状態を良好に保つには、以下のような長期的なモニタリングが重要です:

  • 定期的な血液検査の実施

  • 行動の変化に注意する

  • 体調の異変に敏感になる

  • 気になることがあればCure FIP Japanに相談

こうした長期的なケアによって、多くの元FIP患者の猫が健康な生活を取り戻し、再発することなく過ごせています。

結論

FIPは決して終わりではありません。GS-441524のような治療法の登場により、猫の生存率は大幅に向上しています。

ただし、飼い主の気付き、迅速な対応、そして継続的なサポートこそが、治療結果を左右する最大の要素です。

もしFIPの兆候を感じたら、すぐに動物病院を受診し、最適な治療法を検討しましょう。なぜなら、大切な命は守る価値があるからです。

 
 
 

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