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その症状、本当にFIP?実は別の病気かもしれません

FIP(猫伝染性腹膜炎)は、猫コロナウイルス(FCoV)の突然変異によって発症する病気です。愛猫がFIPと診断されたと聞いた瞬間、飼い主さんは不安や恐怖、そして悲しみに包まれることでしょう。


無理もありません。FIPは進行が早く、治療が遅れると命に関わる深刻な病気です。

しかし実は、FIPの診断はとても難しく、他の病気と間違えられることが少なくありません。なぜなら、FIPの症状は他の病気と非常によく似ているからです。


では、誤診を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?この記事では、CureFIP Japanがその疑問にお答えします。



FIPの診断が難しい理由とは?

FIPの初期症状は、発熱・嘔吐・食欲不振・体重減少など、多くの病気に共通するため、診断が非常に難しいのです。


さらにFIPには「ウェットタイプ」「ドライタイプ」「眼型FIP」「神経型FIP」の4種類があり、それぞれ異なる症状が出ます。これも診断を複雑にする要因のひとつです。


もし猫がすでに他の持病を抱えている場合、症状が混ざり合い、獣医師の判断をさらに難しくしてしまいます。


つまり、FCoVが突然変異して起きた症状なのか、元々の病気による症状なのか、見分けがつきにくいのです。



正確な診断が治療成功のカギ

人間と同じように、猫にも正確な診断がなければ適切な治療はできません。もし誤診が起きれば、病状の悪化や命を落とすリスクも高まります。


FIPの場合、正しい診断と迅速な治療が回復への近道です。早期発見・早期治療で、猫の生存率は大きく向上します。


現在、最も効果的な治療法とされているのが「GS-441524」という抗ウイルス薬です。

CureFIP Japanでは、この薬を猫のFIPタイプ・体重・検査結果に基づいて適切に処方しています。


だからこそ、最初の診断がとても大切。正確な診断が、GS-441524の効果を最大限に発揮させるのです。



FIPとよく誤診される症状

以下のような症状は、FIPだけでなく他の病気にも共通して見られるため、誤診の原因となりやすいです:

  • 高熱

  • 嘔吐が続く

  • 下痢や便秘などの消化器症状

  • 食欲不振

  • 急激な体重減少

  • 元気がない・ぐったりしている

  • リンパ節の腫れ



FIPと間違えやすい病気

以下は、FIPと特によく混同されやすい病気です:


トキソプラズマ症

Toxoplasma gondiiという寄生虫によって引き起こされます。発熱、食欲不振、元気消失、発作などが見られ、神経型FIPと症状が非常に似ています。


猫白血病ウイルス(FeLV)

FIPと同様、唾液・尿・便などから感染します。FIPの発症を引き起こす場合もあり、無症状の期間が長いのも特徴です。


猫免疫不全ウイルス(FIV)

免疫力を低下させ、さまざまな感染症を引き起こします。多臓器に影響を及ぼすため、FIPと誤診されることもあります。


猫汎白血球減少症(FPV)

発熱、嘔吐、下痢、食欲不振など、FIPと非常によく似た症状が出ます。追加検査が必要です。


炎症性腸疾患(IBD)

腸の炎症により、嘔吐・下痢・体重減少が生じます。消化器型FIPと混同されがちです。


リンパ腫

リンパ節や内臓に腫瘍ができ、FIPと同じような炎症症状を引き起こすため、見分けが難しいです。


がん(悪性腫瘍)

FIPと同様、発熱・体重減少・疲労・食欲不振などが見られます。精密検査をしないと誤診される可能性があります。



FIPと他の病気を見分けるための検査

FIPを確定診断するには、以下のような検査が必要です。


血液検査(CBC・血液化学検査)

赤血球・白血球・アルブミン・グロブリン・A/G比などを確認し、全体の健康状態を把握します。


リバルタ試験

お腹に水がたまる「ウェットFIP」の確認に用いられます。他のFIPタイプには適用されません。


レントゲン・超音波検査

胸やお腹の内部を確認し、体内の水分貯留や臓器の腫れ、炎症の有無を調べます。


MRI(磁気共鳴画像)

脳や脊髄などの軟部組織の状態を詳細に確認でき、神経型FIPの診断に役立ちます。


生検(バイオプシー)

組織の一部を採取して検査する方法ですが、費用が高く、結果まで時間がかかるため、実施されることは少なめです。



「FIPじゃないかも」と疑うべきタイミング

すべての検査で明確な結果が出ない場合は、まずGS-441524による治療を試してみるのもひとつの方法です。


正しい投薬量を知りたい場合は、CureFIP JapanのLINE公式アカウントにご相談ください。

もし2週間経っても改善が見られなかったり、猫が薬を拒否するようであれば、すぐに獣医師の再診を受けましょう。



獣医師との連携と経過観察の大切さ

いつも元気な猫が急に静かになり、ぐったりしていたら、とても心配になりますよね。

そんなときこそ、経験豊富な獣医師の判断と支えが必要です。


正しい診断があれば、飼い主さんも安心して治療をサポートできます。回復には時間がかかることもありますが、諦めないでください。


もちろん、CureFIP Japanも常にあなたの味方です。わからないこと、不安なことがあれば、LINEやお問い合わせフォームからいつでもご連絡ください。


また、治療開始後は、30日目・60日目・84日目に経過検査を行うことを忘れずに。

治ってきているか、それとも別の病気の可能性があるのか、定期的な検査で確かめることが大切です。



【実例】FIPと誤診された子猫のケース

ある生後16週の子猫は、高熱・虚弱・体重減少の症状からFIPと診断され、安楽死が選択されました。


しかしその後の検査で、猫コロナウイルスは検出されず、真の原因は「トキソプラズマ寄生虫」による脳感染だったことが判明しました。


この子猫は元々、栄養失調・ノミだらけの状態で保護され、一時は元気になったものの、1か月後に急変。


血液検査では、ドライFIPに典型的な高グロブリン値と発熱が見られましたが、死後解剖でそれが誤診だったと明らかになったのです。


このように、トキソプラズマは野ネズミなどの感染動物を食べることで感染し、母猫から子猫に垂直感染する場合もあります。


このケースは、症状が似ていてもFIPとは限らないという強い警鐘を鳴らしています。適切な検査がなければ、本当に必要な治療のチャンスを失ってしまうのです。



まとめ

FIPは、他の病気と症状が酷似しているため、正確な診断には包括的な検査が不可欠です。


CureFIP Japanと信頼できる獣医師に相談し、正しい診断と適切な治療で、愛猫の命を守りましょう。

 
 
 

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