GS-441524によるFIP治療のタイムライン:治療中に知っておきたい経過の目安
- CureFIP Japan

- 5 日前
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猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウイルス(FCoV)が体内で変異することによって発症する、非常に重篤な病気です。かつては有効な治療法がほとんどなく、厳しい診断結果と受け止められてきました。しかし現在では、抗ウイルス薬 GS-441524 の登場により、多くの猫で回復が期待できるようになっています。

GS-441524による治療の流れ(タイムライン)を理解しておくことは、治療中の不安を軽減し、「今の状態が順調なのか」「いつ注意が必要なのか」を冷静に判断する助けになります。一般的な治療期間は 84日(12週間) ですが、回復のスピードには個体差があります。
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GS-441524の作用と、治療初期に注射が選ばれる理由
GS-441524は、FIPウイルスが細胞内で増殖するのを抑える抗ウイルス薬です。治療開始時点では、多くの猫がまだ体調不良の状態にあり、以下のような症状を伴うことがあります。
食欲低下
嘔吐や下痢
発熱
元気消失
この段階では、消化管からの吸収が安定しないことが多いため、治療初期は注射による投与が選択されることが一般的です。注射は吸収が確実で、症状が残っている時期でも安定した効果が期待できます。
症状が落ち着き、食欲や元気が安定してきた段階で、経口カプセルへの切り替えが検討されます。
重要なポイント注射から経口薬へ切り替えるのは、「注射が効かなくなるから」ではありません。猫の状態が安定し、飲み薬でも十分に吸収できるようになったことを示す判断です。
GS-441524治療の一般的な経過:週ごとの目安
以下は、多くの症例で見られる代表的な経過です。
治療開始〜第1週:初期反応の時期
目的: ウイルスの増殖を抑え、全身状態を安定させる。
よく見られる変化
3〜5日以内に何らかの改善が見られることが多い
発熱が下がり始める
食欲が少しずつ戻る
動きは増えるが、まだ疲れやすい
体重は横ばい〜わずかに増加
この時期の管理初期の血液検査で、炎症や臓器への影響を確認します。
第2〜3週:改善がはっきりしてくる時期
目的: 治療への反応が安定しているかを確認する。
よく見られる状態
食欲・飲水量が安定
毛づくろいを再開する
腹水・胸水がある場合は減少傾向
嘔吐や下痢が落ち着く
この時期は、投薬の正確さと継続が非常に重要です。多くの場合、**再検査(血液検査)**が行われます。
第4〜6週:安定期と内部回復の段階
目的: 回復を維持し、体の内部の状態を整える。
期待される変化
体重が安定して増える
アルブミン・グロブリン比(A/G比)が改善
行動がほぼ通常に戻る
注意点
一時的な疲れやすさは珍しくありません
見た目が元気でも、治療は中断しないことが重要です
この時期に、以下の条件が揃えば注射から経口カプセルへの切り替えが検討されます。
食欲と元気が安定している
嘔吐・下痢がない
血液検査が改善傾向にある
第7〜9週:回復を維持しながら慎重に観察
目的: 改善を保ち、再燃の兆候を早期に察知する。
良好なサイン
被毛にツヤが出る
体重増加が続く
遊ぶ、反応が良い
A/G比が0.6以上に向かう
起こり得ること
一時的な食欲低下
軽い元気消失
症状が戻った場合は、速やかに獣医師と相談します。
第10〜12週:治療完了に向けた最終段階
目的: ウイルスの完全抑制と観察期間への移行準備。
多くの猫で見られる状態
体重が安定
食欲・排泄が正常
血液検査が基準値内
⚠️ 重要84日間の治療終了後も、約12週間の経過観察期間が推奨されます。
注射から経口カプセルへの切り替えについて
切り替えが検討されるタイミング
CureFIP の治療方針では、以下を目安に判断されます。
2〜4週間以上の安定した改善
発熱・食欲不振・胸腹水の消失
消化器症状がない
経口投与に向いている猫
注射部位の負担が大きい猫
食欲と体重が安定している猫
毎日決まった時間に投与できる環境
切り替え後の観察ポイント
食欲・便の状態
活動量
体重
4週間ごとの血液検査
必要に応じて、一時的に注射へ戻すこともありますが、治療失敗ではありません。
治療中の血液検査について
血液検査は、治療効果を客観的に評価するために欠かせません。
検査項目 | 目的 | 改善の目安 |
CBC | 赤血球・白血球 | 正常化傾向 |
総蛋白 | 炎症の指標 | 徐々に低下 |
アルブミン / グロブリン(A/G) | 蛋白バランス | 上昇(>0.7) |
肝腎機能 | 臓器の状態 | 安定または改善 |
数値単体より「推移」が重要です。
順調なサインと注意すべきサイン
治療がうまく進んでいるサイン
体温が正常
安定した食欲
体重増加
目に力がある
胸水・腹水の減少
すぐ相談すべき症状
再び発熱
嘔吐・下痢が続く
24時間以上食べない
体重減少・衰弱
注射部位の悪化
治療中によくある不安
改善の停滞(プラトー):一時的に良くならない時期がある
反応がゆっくりなケース:FIPのタイプや他の感染症が影響
一時的な後退:ストレスや食事変更など
継続と記録、獣医師との連携が回復を支えます。
まとめ:丁寧な継続と観察が回復につながる
GS-441524は、FIP治療の可能性を大きく広げました。12週間の治療は簡単ではありませんが、少しずつでも改善していれば、それは確かな前進です。
体重・食欲・行動を記録し、定期的な検査を行いながら、落ち着いて治療を続けていきましょう。
もしあなたのペットの猫がFIPの症状を示す場合は、すぐに近くの獣医に連れて行き、正確な診断と治療を受けさせてください。FIPウイルスとその治療についてさらに相談したい場合はLineでCureFIP Japanに連絡するか、InstagramのCureFIP Japanを訪れてサポートを受けることができます。また、FIPに関する完全なガイドを読みたい場合は、こちらをクリックしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. GS-441524の治療期間は?
通常84日間、その後に観察期間があります。
Q2. いつ経口薬に切り替えられますか?
2〜4週間以上安定し、消化器症状がない場合です。
Q3. 回復の目安となる検査結果は?
A/G比の上昇、CBCの改善、肝腎機能の安定です。
Q4. 元気なら途中でやめてもいいですか?
いいえ。再発防止のため最後まで継続が必要です。
Q5. 投薬を忘れた場合は?
気づいたら次の1回を早めに与え、倍量は避けます。
Q6. GS-441524は安全ですか?
適切な管理下では、多くの猫が良好に耐えています。
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